研修メモ

2018年10月の記事一覧

読解力

 

「読解力」について考えてみたいと思います。

 

できる子は本をこう読んでいる

「小学生のための読解力をつける魔法の本棚」

麻布学園国語科教諭 中島 克治著 小学館

より抜粋

 

読解力とは、本を読んで書かれている内容を理解し

また、行間から書き手の言いたいことをくみ取る力

です。つまり、書き手という一人の人間と向き合え

るかどうかであり、コミュニケーションの力にも通

じます。

 

本をよく読む子は感情が豊かです。それは感情的と

いうことではなく、感情をうまくコントロールでき

るという意味です。人の心の奥深くを察することが

できるから、相手をむやみに傷つけることもないし

トラブルも防げる、つまり「読解力」あるのです。

 

読解力=人間らしさを養う

 

読書は読解力をつけるために最も効果的な方法です。

読み進む中で「次はどうなるんだろう」と書かれて

いることを理解しようとしたり、想像力をふくらま

せることで考える力がつきます。また、登場人物の

心を「読解」することにつながるからです。

同時に、読解力とは、日々の生活の中でのさまざま

な気持ちや体験が、子どもの内面で言語化され、根

づく中で生まれる総合力でもあるのです。

 

まず大人が本を楽しもう

よく言われることですが、お父さんやお母さんがよ

く本を読むご家庭では、子どもの読書へのハードル

は低いものです。親が本を読む姿をいつも見ている

わけですから、子どももよむことに抵抗がないので

しょう。はじめから読書に対して肩の力が抜けてい

るというわけです。

反対に、親が全く本を読まないのでは、子どもにだ

け読書を勧めても説得力はありません。いろいろな

事情はあるかもしれませんが、まずは親が少しずつ

でも読書の習慣をつけるようにしていきましょう。

 

読まない子には読み聞かせから始めよう

本を読まないお子さんには、ぜひ読み聞かせから始

めてください。

挿絵が魅力的なものや、童話や昔話など、短い物語

がいいと思います。そして読み聞かせるときは「面

白いね」などと感想も口にしましょう。こうしたお

父さん、お母さんの気持ちは伝わるものです。

 

読み聞かせというと、せいぜい低学年のころまでと

思われているかもしれませんが、私は高学年でも読

み聞かせを推奨します。小学生のうちはそれぐらい

関わってあげたほうが、本と向き合いやすくなると

思うのです。私自身、小学生のときに父親に読んで

もらっていましたし、そのときに読んだ作品は深く

心に残っています。

とはいっても、5、6年生ともなると、親に対して

反抗的な気持ちを持ちやすい時期ですから、そんな

ときは少し離れてみることも必要でしょう。無理強

いはせず、できるときに少しずつ読んであげてくだ

さい。

 

絶対に外せない読み聞かせのコツ

読み聞かせをするときは、子どもにも目で文字を追

わせましょう。そうやって文字を読んでいくことで

自然と文のまとまりを理解し、どこで切ったらいい

のか、ストーリーや段落のひとかたまりはどこまで

か、ということも把握できるようになり、知らず知

らずのうちに文章を読む力が育ちます。

親御さんは「上手に読まなければ」とプレッシャー

を感じる必要はありません。うっかり1行とばして

しまったり、読み方を間違えたりしたときには、子

どものほうから「それ違うよ」と教えてくれること

もあります。お子さんがちょっとした優越感を持つ

瞬間ですね。

 

読解力を高める読み方を身につけよう

国語で求められる読解力とは、筆者や登場人物の言

っていることや伝えようとしていることに対して、

「こういうことを言っている」とか「こういうこと

を伝えようとしているのだと思う」と、自分なりの

言葉で表現できる力です。

そういう力をつけるには、文章を読みながら「要す

るに作者は・・・と、考えているんだな」と、心の

中で言いかえてみるのが効果的です。書き手の意図

を意識して読むことで、しだいに行間に込められた

ものまでも感じられるようになっていくのです。

この意識的な読書で一番大切なことは、書き手の思

いや伝えたいことを「自分なりの言葉で言いかえる」

ということ。ただ書き連ねてある言葉を抜き出して

つなげただけでは、書き手の意図を自分なりに理解

したことにはなりません。

そのためには、文章の具体的な表現や展開にだけと

らわれるのではなく、ときにはそこから離れて作品

全体を見渡すような行為もまた必要になってきます。

 

以上、保護者の皆さんに参考になると思ったものを

抜粋しましたが、一部分を抜粋するのではなく

一冊の本全体を深く読み取って、自分の言葉で表現

できる力が読解力であることがよくわかります。

 

 

 

「元気な脳が 君たちの未来をひらく」

 

 

元気な脳が 君たちの未来をひらく

東北大学教授 川島隆太 著 くもん出版 より

 

 

この本からわかることは

 

子どもたちの成長にとって大切なことは

「早寝早起き」 

自分で寝る時間を決めて習慣にすること

遅くても、午後9時には必ず寝る

朝ご飯を食べる「できるだけおかずを多く」

 

 

何のための学校での勉強なのか

キーワードは「作動記憶トレーニング」

学校の勉強をすることで、自分の脳を

トレーニングすることができる。これにより

将来、さまざまな能力をのばし、夢の実現が

可能となっていくそうです。

すばらしいことです。

 

本の中には、作動記憶トレーニングによって

脳の活性化により運動能力が飛躍的に

のびた実験結果も紹介されています。

 

また、毎朝行ってるメソッド「百マス計算、

音読、漢字」も作動記憶トレーニングそのも

のであり、前頭前野がきたえられ能力が高ま

るようです。

川島先生は、統計的な手法でそれらを証明さ

れています。

 

学習の基盤となる

「作動記憶トレーニング」を大切にしていき

たいと思いました。

 

ボケ防止など生涯を通して役立っているようです。

 

 

 

幸福について考える   日本教育No481より

幸福へ至る道とは何か

早稲田大学名誉教授 池田雅之 より

 

・・・略・・・

メーテルリンクの『青い鳥』

この話は、日本では、「幸福」というものは

実は自分たちの足下にあるんだ、という教訓

めいた一種の道徳劇として伝わっている。

しかし、メーテルリンクが子どもたちに本当

に伝えたかったことは、「幸福は求め続ける

ものである」ということ、そして幸福と不幸

は、一枚のコインの表裏のように変わりやす

いものであるということであった。

(長谷川宏『幸福とは何か』中公新書参照)。

 

・・・略・・・

「人は幸福になろうと思わなければ幸福にな

れない。だから、自分の幸福を望まなければ

ならないし、自分の幸福を作り出さなければ

ならない。・・・幸福になることは、他人に

対する義務でもあることだ。・・・男女を問

わずすべての人が生涯にわたって、考え続け

ねばならないのは、幸福こそが-自力で獲得

した幸福こそが-もっとも美しい贈物であり、

もっとも豊かな贈物ということだ」

(長谷川宏『幸福とは何か』)

 

メーテルリンクもアランも「幸福」を求め続

ける人生という旅は、人間の究極の「希望」

の旅であり、人間としての「義務」の実現

のための長い旅であることを明言している。

 

 

 

子どもと本  耳からの読書  日本教育No481より

子どもたちを本の世界へ いざなうために

公益財団法人東京子ども図書館理事長

張替 惠子

より抜粋

 

・・・略・・・

一般に、字が読めるようになると読み聞かせ

はおしまい、自分で読みなさいと突き放しが

ちですが、ここで、よい読者となるきっかけ

を失う子どもがたくさんいます。

子どもの文字を読む技術が、耳から聞いて理

解できるレベルに追いつくには数年かかります。

このギャップを埋めるのが、読み聞かせなのです。

毎日の生活の中で、テレビを消し、スマホや

パソコンから離れて、十五分でも二十分でも

本を読んでもらう習慣は、子どもたちにとって

至福の時間です。そして親や周囲の大人にとっても

日常の煩わしさから解放される貴重なひととき

となるでしょう。

・・・略・・・

不読率、そしてPISAの調査で低下が顕著だった

読解力を改善したいなら、何より、子どもと寄り

そう大人がいて、読むことが楽しいという体験を

たっぷりさせてあげることです。

本を読むことは、読解力や表現力の向上が目的

ではありません。あらゆる芸術同様、新しい

知覚を目覚めさせ、魂を揺さぶり、子どもの

精神的な経験を豊かにすることです。

読者を育てたいなら、読むに値する本がどれほど

多彩な喜びや美しさに満ちているかに気づかせ

てあげればよいのです。

・・・略・・・