研修メモ

子どもと本  耳からの読書  日本教育No481より

子どもたちを本の世界へ いざなうために

公益財団法人東京子ども図書館理事長

張替 惠子

より抜粋

 

・・・略・・・

一般に、字が読めるようになると読み聞かせ

はおしまい、自分で読みなさいと突き放しが

ちですが、ここで、よい読者となるきっかけ

を失う子どもがたくさんいます。

子どもの文字を読む技術が、耳から聞いて理

解できるレベルに追いつくには数年かかります。

このギャップを埋めるのが、読み聞かせなのです。

毎日の生活の中で、テレビを消し、スマホや

パソコンから離れて、十五分でも二十分でも

本を読んでもらう習慣は、子どもたちにとって

至福の時間です。そして親や周囲の大人にとっても

日常の煩わしさから解放される貴重なひととき

となるでしょう。

・・・略・・・

不読率、そしてPISAの調査で低下が顕著だった

読解力を改善したいなら、何より、子どもと寄り

そう大人がいて、読むことが楽しいという体験を

たっぷりさせてあげることです。

本を読むことは、読解力や表現力の向上が目的

ではありません。あらゆる芸術同様、新しい

知覚を目覚めさせ、魂を揺さぶり、子どもの

精神的な経験を豊かにすることです。

読者を育てたいなら、読むに値する本がどれほど

多彩な喜びや美しさに満ちているかに気づかせ

てあげればよいのです。

・・・略・・・