研修メモ

幸福について考える   日本教育No481より

幸福へ至る道とは何か

早稲田大学名誉教授 池田雅之 より

 

・・・略・・・

メーテルリンクの『青い鳥』

この話は、日本では、「幸福」というものは

実は自分たちの足下にあるんだ、という教訓

めいた一種の道徳劇として伝わっている。

しかし、メーテルリンクが子どもたちに本当

に伝えたかったことは、「幸福は求め続ける

ものである」ということ、そして幸福と不幸

は、一枚のコインの表裏のように変わりやす

いものであるということであった。

(長谷川宏『幸福とは何か』中公新書参照)。

 

・・・略・・・

「人は幸福になろうと思わなければ幸福にな

れない。だから、自分の幸福を望まなければ

ならないし、自分の幸福を作り出さなければ

ならない。・・・幸福になることは、他人に

対する義務でもあることだ。・・・男女を問

わずすべての人が生涯にわたって、考え続け

ねばならないのは、幸福こそが-自力で獲得

した幸福こそが-もっとも美しい贈物であり、

もっとも豊かな贈物ということだ」

(長谷川宏『幸福とは何か』)

 

メーテルリンクもアランも「幸福」を求め続

ける人生という旅は、人間の究極の「希望」

の旅であり、人間としての「義務」の実現

のための長い旅であることを明言している。