研修メモ

大切なことを抜粋

今日の風,なに色?

 

ここには教育の原点があると思いました。

 

引用 教室の窓VOL57 東京書籍

巻頭言 今日の風、なに色?  辻井いつ子 より

 

「今日の風は,なに色なの?」
まだ保育園児だった伸行に問いかけられたこの言葉を,私は今も覚え
ています。
伸行には,「小眼球症」という障害があります。生まれつき眼球が育た
ない障害で,光を感じることもできません。伸行に障害があるとわかっ
た時は,「なぜ,私の赤ちゃんがこんな過酷な運命を背負わなければな
らないの」と泣き暮らしたこともありました。けれど,そんな生活を続け
ていたら,伸行の将来も,私たちの生活も,めちゃくちゃになってしまう。
母親の私がまず現実と向き合い,強い気持ちで生きていかなければなら
ない。このころは,その一念で手探りをしながら子育てに励んでいました。
でも,ネットもなかった当時,すがるような気持ちで読み漁っていた
育児書には,「障害のある子をいかに晴眼者の社会に適応させるか」と
いう内容が多かったように思います。当時の私は,そういう杓子定規な
育て方に抵抗を感じ,なんとか「伸行が伸行らしく」生きられる子育て
方法を必死に探していました。
そんなときに出会ったのが,『フロックスはわたしの目─ 盲導犬と歩
んだ十二年』(文藝春秋)という本でした。その本には,著者である福澤
美和さんが盲導犬フロックスと一緒に,歌舞伎や展覧会を楽しむ様子が
生き生きと描かれていました。この本との出会いによって,「目が見え
なくても伸行には伸行なりの感覚や世界を持っているのだから,私はそ
れを広げていけばいいのだ」と気づかされたのです。そして,「伸行が
持っている感性,世界をもっと広げてあげたい」と願うようになりまし
た。「どうせ見えないから」とあきらめてしまうのではなく,花見にも
花火大会にも伸行を積極的に連れて行きました。
ある日,保育園からの帰り道,春風が吹いてきたとき,伸行が「今日
の風は,なに色なの?」と問いかけてきたのは,「伸行の世界が豊かに
なるように育てたい」と手探りしている真っ最中でした。ですから,伸行
の問いかけを聞いた時,心が震えるほどうれしく思いました。伸行の世界
が,風にも色がつくほど,色彩豊かに育ったということなのですから。
私は,わが子を育てるにあたり「伸行が彼らしく生きるには,どうすれば
いいだろう」とずっと考えていました。だから,目が見えなくても,いろい
ろな美しいものを見せて,伸行が興味を持ったスキーや乗馬や水泳も体
験させて,伸行の世界が豊かに広がっていくように親として応援してきま
した。伸行がピアノをやってきたのもその一つに過ぎません。伸行は音
楽が好きで,ピアノが大好きでしたから,伸行がピアノに打ち込めるよう
に親としてできる限りのことをしようと決め,応援してきただけなのです。
伸行の子育てを通して,子どもの才能を伸ばすには,その子と向き合
い,子どもの “ 好き” という気持ちを応援し続けることが大切なのだと
気づかされました。

 

 

よい環境

日本教育12月号 No.438 

巻頭 気持ちよく働ける環境をつくれば

   教職員はどこまでも前向き

   千葉市立大宮台小学校長 近藤義男 

より抜粋

 

= 一校長の立場ではどんなことを心掛けて

  学校経営をしていますか。

自分のみの回りにいる人たちにより良い環境を

つくり出していくことです。これは教育管理職

だけでなく、部活動の顧問や学級担任など「人

の前に立つ」すべての人が大事にしなければと

考えます。今、ここにいることがとても楽しく

充実し、自分の居場所がある、日々成長できて

いるーなどと実感できる「環境」があれば、教

職員は自然と学校をより良く変える方法を提案

しますし、部活動であれば生徒から練習内容や

在り方についても改善策が出てきます。よい提

案があれば、どんどん実現すれば良いし、失敗

したら管理職が責任を取ればいいのです。

 

・・・

 

= 教育関係者にメッセージをお願いします。

よい環境を作り出すには、とにかくたくさんの

入力体験をすることです。書籍でいえば、若い

頃は多読・乱読で構いません。でも、徐々に質

を高めていきましょう。質の高い入力にはコス

トがかかりますが、こうした経験をしておかな

いと、変化の激しい社会を見据えた教育を、日

々の授業で実現させることはできません。教職

は楽しいことばかりではありませんが、「ピン

チはチャンス」と前向きに受け止め、絶えず入

力し、楽しみながら歩んでいきましょう。

 

 

 

 

 

〇〇活動

 

小グループの学び合いの中で、

 

話し合い活動 自分の考えたことを相手に分かりやすく伝えあう。

聴き合い活動 それぞれの考えを認め合い、理解する。

 

傾聴も大切です。

 

 

 

 

メタ学習

 

日常の授業から、各教科の内容を学ぶ。

それと同時に、学ぶとはどういうことか

知識とは何かといった学習観・知識観

をも無意識のうちに学んでいる。

これらは、学習に関する学習のことであり

メタ学習といわれてる。

 

OECDの学力モデルでは、メタ学習は

重要な学力の側面としてきた。

学習を適切に自己マネジメントする資質能力

は「学びに向かう力」を構成する要素として

大切である。

 

 

学級掲示

T-navi Edu vol02より抜粋

 

200日以上過ごす教室環境の影響は多大

 

「担任は最大の教育環境」と言われる。それは

特に長い時間をともにする担任の言動が子ども

の成長に及ぼす影響が大きいことを表している。

教室環境は、その次に匹敵するほど、子どもの

成長に大きく影響する。守るべきことが掲示さ

れていれば、それは自然に心にすり込まれてい

く。作品に子どものよさや可能性を見いだすコ

メントが記されていれば、担任の子ども一人ひ

とりを大切に思う心が通じる。掲示物が整然と

並んでいれば、子どもの意識も整然とする。