こんなことがありました

3/23 旅立ちの日

本日,卒業式を行うことができました。卒業生は,練習やリハーサルの時間がほとんどなかったにもかかわらず,素晴らしい態度でした。半田醸芳小学校で学んだことを生かして,中学校でもがんばってください。

以下,校長先生の祝辞です。

令和元年度 卒業証書授与式 式辞

 半田山に柔らかな光が降り注ぎ、校庭の桜もつぼみが例年より早く、ずいぶん膨らんできました。半田にもようやく春の息吹を感じる今日の佳き日、保護者の皆様のご臨席を賜り,令和元年度卒業証書授与式を挙行できますこと、教職員を代表し、心より御礼申し上げます。本来なら、多数のご来賓の皆様のご臨席と、在校生の祝福の中で挙行いたすところでしたが、新型肺炎感染予防として式の縮小、簡略化を余儀なくされ、誠に遺憾です。

 さて、小学校六年間の全課程を修了し、本日、この半田醸芳小学校を巣立ちゆく18名のみなさん、ご卒業、本当におめでとうございます。お客様や在校生がいない寂しい卒業式になってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも半田醸芳小学校の先生方全員で、一生に一度の卒業式を思い出に残る式になるようにと、臨時休業中に全力で準備をしてきました。

 今、皆さん一人一人に卒業証書をお渡ししましたが、卒業証書を受け取った姿に、皆さんと共に過ごした日々の思い出や、がんばっていた姿などが重なり、胸が熱くなりました。猛暑の夏、「イコーゼ!」プールで全力を出し切って泳いだ町水泳競技大会。晩秋の町グラウンドを思いっきり駆け抜けた、桑折町国見町陸上競技大会。どちらも数々の入賞を果たし、メダルをかけたときの誇らしげな顔が忘れられません。苦しい練習に耐え、最後までねばり強く努力をする姿勢は、今後も大活躍する原動力となることでしょう。そして、心を一つにして演じた学習発表会。外国語活動で学習したことを生かし、英語劇に挑戦しました。会場は皆さんの演技に心を打たれ、拍手喝采でした。朝の集団登校では、班長として、夏の暑い日も冷たい吹雪の日も、下級生の安全を守りながら、先頭を歩いてきた皆さんの姿は、とても立派でした。 

 皆さんの学校生活での姿を見ていて思い出す詩があります。

「あなたの『こころ』はどんな形ですかと、人に聞かれても答えようがない。自分にも他人にも『こころ』は見えないけれど、本当に見えないのだろうか。確かに『こころ』は誰にも見えないけれど『こころづかい』は見えるのだ。それは、人に対する積極的な行為だから。

同じように胸の中の『思い』は見えないけれど『思いやり』は誰にでも見える。それも人に対する積極的な行為なのだから。あたたかい心があたたかい行為になり、やさしい思いがやさしい行為になるとき、『心』も『思い』も初めて美しく生きる。それは、人が人として生きることだ」

この詩は宮澤章二さんの詩集「行為の意味 青春前期の君たちに」おさめられているものです。

9年前、東日本大震災があったことは、全校集会でお話したので、皆さんも分かっていると思いますが、その時、デレビの番組が何もなくなったとき、日本広告機構が毎日この詩を流していました。震災でどん底にいた私たちを励ましてくれた詩です。

6年生としてのみなさんの行動には、いつも人に対する「心づかい」や「思いやり」がありました。多くの場面でリーダーの役割を求められ、期待に応える活躍を見せてくれました。

 これからは、半田醸芳小学校で学び、たくわえてきた力を土台に、高い志を持って、みなさんの中にある、はかりしれない可能性を一つ一つ花開かせ、自分の将来を切り拓いていってください。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。皆様の深い愛情のもと、このように優しく強く成長した18名を、私たち半田醸芳小学校職員は、誇りに思い、自信を持って醸芳中学校に送り出します。皆様のご努力に敬意を表するとともに、これまでの本校教育活動へのご協力に感謝申し上げます。明日からは、邁進していくお子様方の後姿を、いつまでも見守っています。 

 結びになりましたが、本校の教育に対して深いご理解と温かいご支援を賜りました保護者の皆様、本日ご臨席はいただけませんでしたが、町当局、地域の方々、に心から敬意と感謝を申し上げますとともに、18名の卒業生の皆さんの前途に、幸多かれと祈り、式辞といたします。

  令和2年3月23日 

伊達郡桑折町立半田醸芳小学校長