王林発祥之地 

 桑折町を含む信達地域は、江戸時代から日本でも有数の養蚕業が栄えた地域でした。かつての桑畑は、果樹園となり、現在は果樹栽培が盛んな地域となりました。桑折町は「献上桃の里」として知られていますが、リンゴについて、伊達崎地区は王林発祥の地です。近くには阿武隈川の旧河床ぞいに蒸気の桜もあり、産業の開発に尽力した先人の営みを感じることができます。

 伊達崎地区には、子どもたちが学習する素材がたくさんあります。

 説明文

 りんご「王林」の育成

 育成者 大槻只之助 (明治21年3月13日生)

 住所 伊達郡桑折町大字上郡字宮﨑29

一、育成の経緯

 大槻家は養蚕家であったが、研究心旺盛で、りんごの品種育成に強い関心と、興味を持っていた。昭和13年頃、ゴールデン・デリシャスと印度を交配し、その種子を播種し、昭和18年初結果の中から、特に食味優秀で品質優良な新種を発見。友人で果樹農業振興に取り組んでいた大森常重氏(後に伊達果実農協組合長)の「味がりんご界の王様である」との評を得て、昭和27年「王林」と命名。

二、特性と普及

 樹勢強く、枝直立し、豊産。熟期10月下旬。果実は270g。香り、果汁、糖度多く頗る美味。県内を始め、青森、長野、山形等の主産県に晩生種として普及し「ふじ」に次ぐ品種である。

  昭和60年11月  福島県