放送による東日本大震災追悼集会
東日本大震災から明日で十年になります。震災時,まだ幼児だった生徒にその時の状況を伝え,災害復興等に取り組んだ方から直接話を聞き,新たに記憶に残し語り継がれるように,西分署署員の幕田様に講話をいただきました。
当時の現場の写真などを見ながら,消防士という立場で震災に関わった経験を丁寧に教えてくださいました。その中で,双葉消防の救急救命士の話が印象に残ったので紹介します。
「3月11日から出動は途絶えることが無かった。サーベイメーターの針が振り切れた。深夜2時過ぎ雪の降る極寒の中,衣服をすべて脱がされ,怒りと悲しみが込み上げるが,ここで5日ぶりに2時間仮眠ができた。自分の具合が悪いことに気付く。耐えられない口渇感とめまい,だんだん呼吸苦が出て軽いパニック状態に陥る。ここまで6日間まともな睡眠も飲食もなし,完全防護で決死の原発救急活動6時間。震災直後から浜通りから中通りへの長距離搬送が続くも,水も食料も入手できず絶望感を覚えていた。」
この話を聞いて,現在の生活ができているのもこのような方々の血の滲むような活動があったからだと感謝の気持ちしかありません。